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コラム
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　読んで ムカつく
噛みつき評論

新聞、テレビ等のマスメディアを主な標的
とした  「攻撃」をやっております。

　　　                                            　　　　　　　　 07/12/11

テレビ朝日が偽装報道…バッシングも幹部の謝罪もないのは何故？

　マクドナルドの調理日時偽装問題で、「報道ステーション」は直営店の元店長代理とされる女性に、店をやめているにもかかわらず、制服姿で証言させたことが発覚しました(12/08付時事通信社の記事を要約)。

　食品会社にとっては表示よりも重要なものは製品そのものです。同様にマスメディアにとって伝達内容、つまり情報は商品そのものであり、最も重要なものであります。

　女性の証言内容に問題はないとされていますが、証言の真実味が増すという理由で制服を着用させたことは、故意に偽情報を流したことに他なりません。車のメーカーに安全性が最も要求されるように、マスメディアには情報の正確さが最大限要求されます。故意による偽情報など論外でありましょう。

　社長の引責辞任まで至った、世に名高い1989年の朝日珊瑚事件は自然保護の大切さを訴えるために、自らこっそりと傷つけたサンゴの写真を、「こんな心ないものがいる」と公表したものでありました。

　このふたつの事件には共通点があります。中心になるメッセージが伝えるためには、虚偽を手段としてもかまわないという「信念」です。裏にあるものは不誠実と傲慢、読者を見下した態度だと思われても仕方ありません。

　12月8日現在、報道ステーションのHPには「制服偽着用証言事件」に関するメッセージはありません。その代わり『食品表示の偽装など、「食の安全」に関する情報をお寄せください』という表示が目立ちます。タレこみを奨励されています。

　「何故このような不祥事が起きたかを徹底的に調査し、二度と起きないように対策をとると共に、担当者だけでなく、幹部の責任も厳しく追及すべきである」というのが不祥事を起こした企業に対するマスメディアの常套句ですが、今回はどこからも聞こえてきません。

　近頃の食品偽装事件に比べると、この事件の扱いは重要性に比してずいぶん小さいという印象です。他のメディアは大きく取り上げようとしません。「あるある事件」の関テレなどが自分のことを棚に上げて、追求すれば視聴者としては面白いと思うのですが、そういう大人げないことはまず期待できません。

　あるマスメディアにとって、他のマスメディアは報復能力のある存在です。報復が報復を呼ぶ状態、つまり戦争は双方にとって損であることをご承知で、カルテルの如く平和共存を指向されるのでしょう。裏返すと、食品会社など報復能力がない相手には容赦しませんよということになりそうです。

　報復能力が戦争の抑止力となるのはどうやら国と国の関係だけではないようであります。

                       
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