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コラム
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噛みつき評論

新聞、テレビ等のマスメディアを主な標的
とした  「攻撃」をやっております。

 

                                           07/11/05

ガソリン税を下げろという報道ステーションの無責任度

 10月31日の報道ステーションをたまたま見たところ、ガソリン値上げのニュースをやっていた。1リットルが169円の店を紹介し、定石どおり、高くて困っているという深刻そうな街の表情を選んで伝えた。

 断りもなくこの169円という平均からかけ離れた事例を取り上げるのもどうかと思うが、話はガソリン税(揮発油税)の税率を下げるべきだという議論になった。

 それを主張したのはプロレス実況で有名なキャスター氏の隣に座っている朝日新聞編集委員の加藤千洋氏だと思う。ガソリン値上げを揮発油税の税率を下げることで抑えるべきだと主張した。

 確かに安ければ、いままでのようにどんどんガソリンを使えるようになる。低燃費の車を開発する意欲も減るだろう。

 しかしことはそれほど単純ではない。欧州では燃料消費を抑制するため燃料に課税する炭素税導入の動きが広がっているし、東京都でも検討中である。温暖化を防ぐための燃料消費の抑制は世界の趨勢である。さらに政府は巨額の累積赤字を抱えている。道路特定財源とはいえ揮発油税を下げれば赤字を増やすことになっても減らすことにはならない。

 世の流れを無視してまでも減税を主張するのは子供に砂糖を舐めさせるようなもので、財源を無視してバラ色の福祉を唱える一部野党の主張と軌を一にするもので あり、国民に対する無責任な迎合である。

 朝日の編集委員という肩書きだけはご立派だが、これは思いつきの話ではないか。このような馬鹿げた議論が常なのか、たまたまなのか、報道ステーションを滅多に見ないのでわからないが、数百万か数千万かの視聴者を前にして、こんな低レベルな議論をしているのかと、少し驚いた次第である。

                       
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